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A.S.P WLT 4Star 太東ロングボードプロ presented by TANY SURF

2006/06/08
A.S.P WLT 4Star
「太東ロングボードプロ presented by TANY SURF」

DAY-1

 千葉県いすみ市の太東ポイントにて「太東ロングボードプロ presented by TANY SURF」が本日よりスタートした。今年は世界でMensは3戦のみ。その貴重な1戦がこの大会となる。1年ぶりとなるこの世界大会には、アメリカ、ハワイ、オーストラリア、イギリス、ブラジル、ニュージーランドなど各国から強豪も集結。日本の実力がどこまで世界に通用するか、改めて知るいい機会となった。

 本日のスケジュールはラウンドオブ96から。レギュレーションは1ヒート20分、マキシマム15本でベスト2ウェイブ。太東は北東の風、オンショアでコシ〜ハラというサイズ。多少バックウオッシュも入るがまあまあのコンディションだろう。このラウンドではケビン・コネリー(USA)が魅せてくれた。スムースなライン取りと見事なボードコントロールで余裕の1位通過。またロングボードの大会に久々エントリーした真木蔵人。相変わらずスタイリッシュなスタイルは健在でトップでラウンドアップ。ケノア・ダーリン(HAW)もこのラウンドのハイポイント7,25をたたき出し勝ち上がった。

 11時を過ぎる当たりから波数が減り、選手は右の突堤のアウトで待つようになる。波の切れも悪くなり技も1発のみ。なかなか点が伸びない難しいコンディションとなる中、続いてラウンドオブ80がスタート。グラント・ゴールド(USA)が1発で6.00ポイントをたたき出せば、またしてもケビン・コネリーがボトムターンからエアリアル気味に飛び出しフローターを決めれば、これに9.00ポイント。ウネリがまとまり出したヒート3では、ジャクソン・クローズ(AUS)は、右へ左へ絶妙なボードコントロール。ボトムターンで一気に加速したかと思えば、カットバックで当て込み。まるでショートボードのような演技で本日のハイエスト、9.50ポイントで明日へ駒を進めた。このラウンドはシードの日本人選手がことごとく敗退。踏ん張ったのは高橋浩二と北村吉代だけだった。

 今回特に感じたのは、海外と国内のサーフィンの差。まずはスピードが違う。海外の選手は、きっちりボトムターンしているからスピードもつくし、技も決められる。ボードコントロールは、スピードがあるからこそできるのだと思う。しかし、日本のロングボードの環境は、一般い波が小さいところで行われていることが多い。試合もしかりだ。だから今回のような掘れた波に慣れていないというのも敗因だったのかもしれない。

 明日は8時にファーストコール。ラウンドオブ64から行われる予定。シードには日本のトップ選手も続々登場。明日も会場から速報をお届けします。お楽しみに!

TEXT BY MIC加藤

 

2006/06/09
A.S.P WLT 4Star
「太東ロングボードプロ presented by TANY SURF」

DAY-2

 本日は昨夜の天気予報どおり雨。これで関東地方も梅雨入りとなった。風は南東のサイドオン。太東の波はコシ〜ハラというサイズ。厚めではあるが、なんとか乗り継げそうだ。

今日はラウンドオブ64からのスタート。昨日調子が良かったケビン・コネリー(USA)は、今日も相変わらず軽快な足さばきを見せて、余裕のラウンドアップ。続いてジャクソン・クローズ(AUS)。リップ、フローターと縦横無尽に動き回り、8.25ポイントをたたき出せば、これがこのラウンドのハイエスト。やはりダントツの強さで勝ち上がった。

  雨が本降りになり始めたと同時に、波の面が整ってきた。風の影響もあまりないようだ。太東漁港の向きがうまく風をかわしているからか。サイズはさらにアップしてムネカタに。カノア・ダーリン(HAW)は、この波を積極的にアプローチ。素早いテイクオフとともにそのままアップスンダウンでかっ飛び、スピードのついたところで、大きなラウンドハウスカットバック。すばやく板を返したと思ったら、波を乗り継いで最後はフローターでフィニシュ。これでこのヒートも笑顔の勝ち名乗りを決めた。日本人はといえば真木蔵人、堀野稔が好調をキープ。6ヒートに入ったころで、雨が土砂降りに。ここで運営側はこれ以上続けるのは無理と判断。このラウンドで終了することをコールした。

 さて、このラウンドも日本のシード選手がことごとく敗退となってしまった。大きな違いは波に合わせる日本人選手に対し、波をコントロールする外人選手。波がある程度のサイズになってしまえば、この違いは歴然だった。それとサーフボードのアウトラインの違い。日本人選手の板のテール幅が全般的に太い気がしたのは自分だけだろうか。波の小さいところで戦っていることがその理由だろうが、ある程度のサイズでスピードを要求されるとなるとそれは難しい。はっきり言えば、それが敗因だったように思う。厳しい事を言うようだが、日本流では世界に通用しないのだ。でも、この大会で世界のスタンダードを知ることができた。世界を廻ることができる選手は一部のみ。それが日本の現状だろう。だから、今大会が日本で開催できたのは、大きな意義があると思う。

 明日は7時30分にファーストコール。ラウンドオブ48からのスタート。波が続けばトップシードの日本の歴代グランドチャンピオンも登場予定だ。明日の激戦も見逃すな!

TEXT BY MIC加藤

2006/06/10
A.S.P WLT 4Star
「太東ロングボードプロ presented by TANY SURF」

DAY-3

大会3日目、東南東の弱いサイドオンの吹く太東ポイント。あまり風の影響はない。波のサイズはムネ〜カタ。セットで時折アタマぐらいか。昨日の雨上がりの夕方に比べると若干サイズダウンだが、それでも良い波もまだまだ入る。

 今日の試合はラウンドオブ48からスタート。ここからシード選手がやはり強さを見せた。外人勢はすべて全員通過。日本勢では塩坂信康、石塚晃、細川哲夫がきっちり決めてラウンドアップ。真木蔵人は最後まで攻めに攻めたが、僅差で敗退。

 続いてラウンドオブ32。ここからボンガ・パーキンス(HAW)、ケコア・ウエムラ(HAW)らに加え、ユージン・ティール、木下・デヴィット、宮内謙至ら日本のトップが続く。ここで魅せたのはやはりボンガ・パーキンス。一人、左で待つところにセットがやって来ると、大きなラインでカットバックの後にビッグフローター。なんと9.80ポイントがコールされ、これが本日のハイエスト。まずはボトムターンの伸び、これでスピードを得て次のセクションへ。止まらないサーフィンとでも言おうか。すべてがスムーズな上に力強い。ロングボードならではの格好良さを魅せてくれた。またブラジルのディエゴ・ロサスは小柄ながらバランス感覚が良い選手。ハングファイブからハングテンへの連携プレーで素晴らしい演技を披露した。さて、日本人選手で頑張ったのは、塩坂信康、石塚晃、吉川祐二、ユージン・ティールの4人。やはり戦い方を知っている。いや、最後まで諦めない気持ちの強さか。残念だったのは細川哲夫、木下・デヴィット、宮内謙至ら。波運に見放され、実力を出し切れずに終わってしまった。

 続いてクォーターファイナル。第1ヒートではディエゴ・ロサスが8.50、6.80でトータル15.30ポイントでトップ。2位には5分前に逆転を決めたケビン・コネリー(USA)がラウンドアップ。塩坂はまったく良い波に乗れずここで敗退。第2ヒートはケコア・ウエムラ、グラント・トーマス(AUS)がぶっちぎり。昨日まで絶好調だったジャクソン・クローズ(AUS)はあと1本が出ず終了。同じく石塚晃も点が伸びず敗退が決まった。第3ヒートはバックウォッシュも入り、ウネリがまとまらない中のスタート。前のヒートと同じく左で一人ポジションを取るカノア・ダーリン(HAW)。相手と競らず、マイペースな試合運びで明日のセミフィアイナルへ。逆にピンチだったのはボンガ・パーキンス。ユージン・ティールにリードを許し、ここで敗退かと誰もが思った時、終了間際に乗った最後の1本で大逆転。元グランドチャンピオンの強さを見せつけた。本日の最終ヒートはアレックス・サラザー(BRA)、ケオキ・サギーボ(HAWW)の二人が、追いすがるエリック・サマー(USA)を突き放し勝ち上がった。

 今日はラウンドが進むにつれ各国のロングボードのサーフィンの特徴が見れた。ハワイは優雅な中に、アグレッシブさ。オーストラリアはショートボードのような動きで、常に攻める姿勢を忘れない。日本はお手本のような奇麗なサーフィン。あとの課題はレールワークと力強さか。本日の戦いを見て、ロングボードがこんなに格好いいもんだと改めて知ることができた。

 明日は8時30分にファーストコール。セミファイナルからスタートし、ファイナルが行われる。本当のロングボードのサーフィンを見たいならぜひ会場に!

TEXT BY MIC加藤

2006/06/11
A.S.P WLT 4Star
「太東ロングボードプロ presented by TANY SURF」

DAY-4

大会最終日、北の弱いサイドオフ。波のサイズはコシ〜ハラで、セットでムネ位。昨日の晴れの天気と打って変わって雨。

  まずはエクスプレッションセッションが9時30分からスタート。参加メンバーはジャクソン・クローズ、キーガン・エドワーズ、ジェイソン・スズキの外人勢を始め、石塚晃、塩坂信康、宮内謙至、小川徹也、ユージン・ティール、瀬筒雄太、尾頭信弘の日本人勢。それになんと試合を控えるディエゴ・ローサス(BRA)とアレックス・サラザー(BRA)も余裕の参加。ノーズライディング中心に演技を披露するも、最後には何でもありのやりたい放題。選手とギャラリーが終始笑顔でこの催しを楽しんだ。優勝は尾頭信弘が満場一致で受賞。現金3万円とタヒチのブラックパールを照れながら受け取り、手を上げて声援にこたえていた。

 さて今日のメインイベントは11時00分からスタート。潮が上げに変わり、ウネリが入り始めるも雨が強くなり、風も南東に変化。サイドオンショアで面に影響が出始めた。波のサイズはハラ〜ムネでワイドブレイク。波の選択がけっこう難しい。

 セミファイナルの第1ヒートにはディエゴ・ローサス(BRA)、ケビン・コネリー(USA)、ケコア・ウエムラ(HAW)、グラント・トーマス(AUS)。先攻はケビン。右の突堤横から入るウネリを捕らえると得意のハングテン。背中を反らしきれいにポーズを決める。目の高さが変わるのでレールが入りやすく、バランスを取るのが難しいと言われてる難易度の高い技だ。直立姿勢のバリエーションも見せ、インサイドまできっちりつないでフィニシュ。これで7.50ポイントを獲得してダントツの1位でラウンドアップ。同じくディエゴ・ローサス(BRA)もハングテンからインサイドにつなぎ、掘れたところにリエントリー。これでケコアとグラントを突き放し、決勝進出を決めた。

 第2ヒートはカノア・ダーリン(HAW)、ボンガ・パーキンス(HAW)、アレックス・サラザー(BRA)、ケオキ・サギーボ(HAWW)。4人が右の突堤に張り付くも、今一つ肩が張らない波しか入らない。演技をするものの、得点が伸びないと判断したカノアは板をチェンジ。アレックスは左へ移動。ケオキはアクション中心に変更。ここでボンガはスムースなライン取りで、リエントリー3発決めて7.50ポイント。360までメイクして、このまま決勝へ駒を進めた。もう一人はブラジルのベテラン、アレックス。右に左にうまく波を捕まえ、技を仕掛けてきっちりラウンドアップ。残念だったのはカノア。最後に再び板を替えて、ラインナップに戻るもここでタイムアップ。好調だっただけに惜しい敗退となった。

 10分休憩の後、決勝がスタート。予想はケビンかボンガか。ギャラリーもこの雨の中、ビーチまで出てこの熱戦を注目。やはりケビンは、好調だったセミと同じルーティーンで攻める作戦。ディエゴも同じく右寄りで待つも乗る波が小さく、同じく演技でも得点が伸びない。ボンガはマニューバー勝負なのか、アクション中心のライディング。しかし、今一つ板の動きに精彩がない。そんな中、確実にポイントを重ねたのがアレックス。掘れると判断すれば、走ってリッピンングからフローター。緩慢な波ならハングファイブからハングテンへのバリエーションできっちりインサイドまで。波の選択は間違いなかった。これで僅差ながら最後までリードをキープし、試合終了。一年ぶりに行われた世界大会でうれしい優勝を決めた。

 次回は7月27日より愛知県田原市赤羽根ビーチにおいて、同じくWLT 4star イベントが行われる。お楽しみに!


TEXT BY MIC加藤

優勝 アレックス・サラザー(BRZ)
2位 ケビン・コネリー(USA)
3位 ディエゴ・ローサス(BRA)
4位 ボンガ・パーキンス(HAW)

→ヒート表&リザルト一覧

   


 

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