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A.S.P WQS 6star Event ビラボンプレゼンツ 夢屋 田原プロ
  「Billabong presents Yumeya Tahara Pro」

2006/08/02
A.S.P WQS 6star Event
「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」


DAY-6

 大会 6 日目、今日のスケジュールは「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」のラウンドオブ 192 のヒート 21 からスタート。
  天気は曇りから晴れ。風は無風。波はモモで、セットで腰ぐらい。
  レギュレーションは 1 ヒート 25 分、マキシマム 15 本、ベスト 2 ウェイブと同じ。

  このラウンドの最後はシード選手のルーク・シードル (AUS) や今田敬介、脇田貴之、ニック・ライリー (AUS) がまずはていねいに波を攻め、順当に勝ち上がり。しかし、ヒート 23 から朝 10 時 30 分の満潮に向かい、セット間が長くなり始め、ウネリが入らない焦れた状況が続く。ここでも選手の駆け引きが見られた。セット間が長いがサイズあるアウトで待つか、それとも小さめミドルで本数を稼ぐか、 3 〜 4 ポイントの攻防が続く。時間内に来る波数は少なく、 2 本しか乗れない選手も出る始末。原田正規、渡辺広樹は、じっくり待ちながらも確実に波をものにしてラウンドアップするが、アウトにこだわった進藤晃、渡辺将人はここで無念の敗退。

 続いてラウンドオブ 144 がスタート。ここから昨日と同じように、波を待つポイントが別れた。左の岩場か、会場右のインサイドか。左の岩場は満潮で波数もだいぶ減っている。さらに昨日に比べあまり波が張らず、柔らかい。波を 4 人で波を取り合うよりは、距離は乗れないもののリップしやすい右で勝負というところ。ただ、今日はそれでも迷う選手が多く、試合中にも移動を繰り返していた。
  ヒート 1 では大澤伸幸ひとりが右のポイントにこだわり、切れたリップを披露。なんと外人勢を僅差で押さえ 1 位通過。続いてヒート 2 ではダリル・グッドラム (AUS) が、左の岩場から入るセットをきっちりメイク。確実にワンターンで連続リップ。特大スプレーを飛ばせば、これに本日のハイエストとなる 9.5 ポイント。余裕のラウンドアップを決めた。さらにハンク・ガスケル (HAW) は 9.17 、 8.83 ポイント、トータル 18.00 ポイントとこれが本日ベストポイント。確実に波を読んでの演技だった。

 この悪い状況の中で、得点の違いは何なのか。選手も迷うところだが、技数や距離ではない。ジャッジが見ているのは、ファーストリップまでの動き。もちろんワンターンが望ましいが、このタルい波をどのようにアプローチするのか。さらに次のセカンドリップへどうつなげるのか。これで判断しているのだ。

 この厳しいコンディションを勝ち上がったのは、やはり WCT 選手のトビー・マーチン (AUS) 、元 WCT 選手のシア・ロペス (USA) 。サーフィン格の違いを見せつけた。後はトニノ・ベンソン、ジョエル・センティオ、 TJ ・バロン、ジェイソン・シバタ、アレックス・キングのハワイ勢が好調をキープ。日本では辻裕次郎に逆転勝利した萩原周、高津敏幸。さらに高橋健人、樋口賢がこの難関をヒートアップした。

 明日はラウンドオブ 144 のヒート 17 から 24 を終えた後、続いてラウンドオブ 96 のヒート 1 から 12 までを行う予定。とうとうトップシードの登場でさらに試合は熱くなる予想。明日もお楽しみに!

 

 

2006/08/03
A.S.P WQS 6star Event
「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」


DAY-7

 大会 7 日目、「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」のラウンドオブ 144 のヒート 17 からスタート。
  今日の天候は晴れ。南東の風でサイドオンショア。波はモモ〜腰というサイズ。昨日に比べサイズはあまり変わらないもののパワーダウン。セット選びだけでなく、どれだけ技をスムースに繰り出せるか、技量をためされる戦いになった。 レギュレーションは昨日と同じ。

 このラウンドはほとんどの選手が、会場正面の右でウェイティング。岩場の方がサイズはあるものの、ダラダラ力のない波が崩れているのみ。それならばとリッパブルな右を選んだということか。ただ、この波を 4 人で取り合うのはけっこうキツイ。たとえ、ベスト 2 のうち 1 本うまく乗ることができてももう 1 本を取れず、敗退する選手も多かった。このラウンドでは、ヒート 22 の小川直久はこれを嫌い、左の岩場で待つが、先程まで入っていたウネリがまったく来ない。 10 分が過ぎた頃、しびれを切らし右へ移動。ここで積極的に波を奪うもの、点は伸びず 5 点止まり。良いセットつかめないままここでタイムアップで終了。その他、渡辺広樹を除き、遠田真央、椎葉順、切詰英利、脇田貴之、高梨直人、山田恭平、原田正規ら日本人勢はことごとくこのラウンドで敗退してしまった。

 続いてトップシードが登場するラウンドオブ 96 がスタート。ここはやはり WCT 現役のジェイク・パターソン (AUS) 、トビー・マーチン (AUS) 、ビクター・リーバス (BRA) 、元 WCT 選手のカーク・フリントフ (AUS) 、ネコ・パダラッツ (BRA) 、ダニーロ・コスタ (BRA) 、ロドリゴ・ドーネレス (BRA) が強いところ見せた。彼らは日本人が 1 発のところ、 2 発、 2 発なら 3 発と技を入れてくる。なぜそれが可能なのか。まずボトムターンの違い。深いボトムターンは縦に上がることを可能にする。さらにレールサーフィンだからターン毎に、スピードをつけることができる。その上、ワンターンでもって来るから、距離が短くてもリップを連発できるのだ。日本人選手が最初のラウンドでは勝てても、このトップシードのラウンドになると勝てない理由は、彼らのサーフィンと比較されるから。いくらスラッシュでスプレーを上げても、レールが入っていなければ評価は低い。ここを学ばなければ上に進めないのだ。

 そんな中、ここを突破した日本人選手は、田中樹、大野修聖、大野仙雅の 3 人。樹は迷いながらも、後半積極的に攻めたの良かった。大野仙雅は今期怪我で悩まされていたが、ほぼ回復に近づき久々のコンテスト。逆に迷いもなく最初から飛ばしたのが吉と出た。圧巻は大野修聖。やはり日本では頭ひとつ飛び抜けていることは間違いない。現在も WQS ランキング 50 位と日本人最高位。世界のサーフィンに一番近い存在だ。ワンターンでのリップ 1 発で点を出せる日本人は、大野修聖しかいないだろう。

 反対に残念だったのは、大澤伸幸、辻裕次郎、萩原周、田嶋鉄兵、高津敏幸はここで終了。特に田嶋鉄兵はワンターンで攻めていただけに惜しい敗退だった。技の後にふらついたことが、アンコントロールとして得点を下げた可能性もあるが、きっちりレールを使ったサーフィンは評価できると思う。

 さて、明日はラウンドオブ 96 のヒート 13 から 24 を行った後、ラウンドオブ 48 のヒート 1 から 8 までを行う予定。まずは 7 時 30 分にファーストコール。明日出場する日本人選手は、ラウンドオブ 96 に樋口賢、高橋健人、田中英義、渡辺広樹の 4 人。さらにラウンドオブ 48 には今日の勝ち上がりの田中樹、大野修聖、大野仙雅も再び登場する。明日はみんなで日本人選手を応援しよう!結果もお楽しみに!

 

2006/08/04
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「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」


DAY-8

 大会 8 日目、「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」はラウンドオブ 96 のヒート 13 からスタート。
  本日の波はモモ〜腰、風は西のサイド。もちろん天候は晴れ。今日も暑いが、試合も熱かった。今日のウェイティングポイントは会場正面の右。ただし、波がシフトしてくる方向が定まらないため、選手は右に左に移動。さらにはアウトとインサイドの駆け引きが必要な戦いとなった。

 このラウンドでは WCT 選手のトロイ・ブルックス (AUS) 、ブラジルのユリ・サドレ (BRA) 、マルセロ・ヌネス (BRA) 、パウロ・モウラ (BRA) や元 WCT 選手のシェア・ロペス (USA) が完璧な強さを見せ次のラウンドへ。彼らのサーフィンは昨日も書いたとおり、レールサーフィン。波がどんなに悪くても、必ず当てられるところには当ててくる。乗る距離が短くてもワンターンで縦にリップ。さらにもう 1 発で、アベレージの 6 点台はたたき出す。日本人の場合、波が良くないと技は限定され、走りすぎる傾向があるようだ。

 典型だったのは、ヒート 24 の試合では田中英義、渡辺広樹、パウロ・モウラ、マーク・マシューズ (AUS) の戦い。風も入り波もバラけて最悪のコンディション。各自波に乗るも技は決められず 1 点台の戦い。前半リードはマーク。それでも切れた波を見つけ 3 点台を揃え 6 点。逆転に必要なポイントは、誰もが 3 点台と波を 1 本で勝負が決まる。ここで冷静だったのは、渡辺広樹。セットつかむとスムースな切り返しで、リップを決めて 4.33 ポイント。これでいきなり 4 位から 1 位へ浮上。波回りも良く、続けて入るアウトのセットはすべて広樹に。このレフトの波をリップ 3 発で 4.73 ポイントでトータル 9.43 ポイントでトップをキープ。
  前半ドツボだったパウロ。左サイドへ移動するもグズグズの波にまったくテイクオフすらできずじまい。しかし、ポコッとミドルから入った波を見逃さず、素早いリップで 5.17 ポイント。さらに次のクローズ気味の早い波で、縦にワンターンでリップ。インサイドまで距離のない中、そのまま縦にもう 1 発で 6.00 ポイントをたたき出しトップへ。これが WCT の波乗り。どんなクソ波でも必ず点をたたき出す。距離を走って加速するのではなく、レールトゥーレールでスピードをつける。だからクローズでも板を当て込めるのだ。広樹はこれで 2 位へ。田中は残念ながら 4 位へ転落。この試合の田中は、らしくない波乗り。やはりこれがプレッシャーなのか。焦りからか波乗りが粗い。板を返す時、最後にレールを使わずスラッシュさせる悪い癖が出た。相手が WCT だと、このサーフィンでは点が出ない。まったく良いところが出せず、そのまま終了。敗退が確定した。やはり、上を目指すためには自分より上の人間と戦わなければ強くなれない。自分を再度見つめ直し、また一から頑張ってほしいと思う。その他このラウンドの勝ち上がりは、ダイヤン・ネイブ (AUS) 、ゲイブ・クリング (AUS) ら WQS ランキング上位組に加え、ハワイの若手、 TJ ・バロン、アレックス・キングなど。日本人選手の樋口賢、高橋健人はここで終了した。

 このヒート終了後、大会本部は波、風とも悪くなったと判断。本日のスケジュールは、このラウンドオブ 96 で終了することとなった。明日の土曜日は 6 時 30 分にファーストコール。ラウンドオブ 48 のヒート 1 から 12 を行った後、ラウンドオブ 24 のヒート 1 から 8 を行う予定。ここまで残っている日本人選手は田中樹、大野修聖、大野仙雅、渡辺広樹の 4 人。さらにこのラウンドにはロイ・パワーズ、ジェイク・パターソンなど WCT 選手やベン・ダン、トニノ・ベンソンなどトップジュニアも登場する。また、午後からは「海がめの放流」「竜宮による和太鼓演奏」「ビーチライブ(サムライハイ)」に加え「打ち上げ花火」とイベントも盛りだくさん。選手との交流・壮行会もあるとのことなので、明日はぜひ会場へ!

 

 

2006/08/06
A.S.P WQS 6star Event
「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」


DAY-10

 「 Billabong presents Yumeya Tahara Pro 」も本日が最終日。
  今日の赤羽根ロングビーチのコンディションは、高気圧に吹き込む風と遠い台風からのウネリが入り、なんと波は腹から胸、セットで肩というサイズ。大会期間中で一番サイズがあったのではないだろうか。
  まずはラウンドオブ 16 がスタート。しかし、南東の風が吹き込む会場は、快晴ながら、霧が発生。試合を一時中断する場面もあったが、多くのギャラリーの声援を受け、選手は熱い戦いを見せてくれた。

 このラウンドからマンオンマンの対決。ここからプライオリティールール、つまり自分が演技をしたら、次に相手が優先的に波に乗ることができるというルールが付け加えられる。相手との駆け引きはもちろん、時間配分や点差により演技の内容を考える必要があり、このルールをどれだけうまく使うか勝負の分かれ目となる。これをうまく利用したのはカーク・フリントフ (AUS) 、ネコ・パダラッツ (BRA) 、ビクター・リーバス (BRA) 、トロイ・ブルックス (AUS) 、マルセロ・ヌネス (BRA) など WCT 経験者。ここまで好調だったロイ・パワーズ (HAW) 、ニック・ライリー (AUS) 、 TJ ・バロン、ジェルミー・フローレンス (REU) 、ダスティン・クイゾン (HAW) はここで敗退。さらに昨年のディフェンディングチャンピオンのダニーロ・コスタ (BRA) もビクター・リーバス (BRA) との戦いで、シーソーゲームになるものの僅差で敗れた。

 続いてクォーターファイナル。ヒート 1 ではカーク・フリントフ対ネコ・パダラッツ。パワーサーフィンのネコが、エアーのカークを軽く撃沈。ヒート 2 はロイデン・ブライソン (ZAF) 対ビクター・リーバス。ビクターは左の岩場のポイントへ。相対するロイデンは正面右に移動。ここは競るのを避けたロイデンがマイペースな演技でラウンドアップ。ビクターは全く良いとこが出せず終了。ヒート 3 はトロイ・ブルックス対マルセロ・ヌネス。トロイの頭脳プレイにマルセロはインターフェアを犯し、ベスト 1 ウェイブに。よってニード 13.50 ポイントは 1 本の演技では勝てないということで終了 5 分前に降参。ヒート 4 はレオナルド・ネベス (BRA) 対ベルナルド・ミランダ (BRA) 。ここはベルナルドが自由に攻めてやりたい放題。レオナルドはこのヒート、ファーストマニューバーが甘く、まったく点が伸びず敗退。

 さあ、セミファイナルのヒート 1 はロイデン・ブライソンとネコ・パダラッツ。やはりここはグイグイ押すタイプのネコが有利かと思えば、ロイデンはエアーを織り混ぜ対抗。一本乗るたびに順位が交替する僅差の勝負は、バリエーションを見せたロイデンがラウンドアップ。ヒート 2 はトロイ・ブルックス対ベルナード・ミランダ。トロイが大方の予想どおり終始ヒートをリード。ベルナードの逆転に必要なポイントは 7.12 ポイント。そして、最後の 1 分を切った時、優先権はトロイ。それまで張り付いたトロイだったが、波が良くないと判断したかそのままスルー。ベルナード、これにすかさずテイクオフ。そこからワンターンで当て込み、続けて 2 発。これに 8.00 ポイントがついて、なんと大逆転で決勝進出を決めた。トロイは最後のツメが甘く悔しい敗退。

 さて、ファイナルはフレッシュな組み合わせ。 15 分のブレイク後、ロイデン・ブライソン (ZAF) とベルナード・ミランダ (BRA) の対決がスタート。先程の勢いのまま、ホーンが鳴るとすぐテイクオフしたベルナード。まずは軽くリッピングしてプルアウト。気持ちが乗っているのか、まだ興奮覚めやらぬ状態なのか、少し乗り方が粗い気がする。それに対しロイデンは、じっくり波を選んで勝負し、まんまとこれが的中。まずは肩の張るレフトの波にリップを 4 発。それもファースト、セカンドマニューバーはすべてワンターンでスムースなリップというお手本。なんと最初の演技で、 9.00 ポイントをたたき出した。さらに圧巻は 4 本目の演技。サイズアップしたレフトのセットをディープにチューブイン。会場からは悲鳴に近い歓声が上がり、姿を見せたと思えば最後はロールインで、 9.83 ポイント。これでトータル 18.83 ポイントとなり、ベルナードをコンボに追い込む。そのベルナード、何とか追いつこうと演技するものの今度は緊張からか、動きが固く点が伸びない。このまま終了かと思った 5 分前、リップに加え、滞空時間が長いエアーで 8.17 ポイントを獲得。応援団も俄然元気を取り戻すが、MCのコールで一回の演技では逆転はできないとわかり意気消沈。最後はベルナード自ら、負けを認めロイデンに拍手を送り、ここでタイムアップ。ロイデンは優勝賞金 $15,000 とともにビッグタイトルを手に入れた。

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