サーフィンレップスインタビュー芝本聖子
最初のきっかけは東浪見の砂浜がなくなったことで「どうしよう?」と思って、何をどうすればいいのか考えていました...
芝本聖子
シバモトキヨコ
TEXT&PHOTO&INTERVIEW : N.HASEGAWA

 海が好きで東京から千葉の海辺へ移住。レディース水着ブランド「kps」を立ち上げ、活躍する傍ら、日本の海岸環境を守る会を立ち上げ、将来の海の在り方を模索している。

  2007年には「美しい国、日本」をスローガンに抱える当時の内閣総理大臣、安部氏に直接会って、海岸環境を守ることの重要性を訴えた。



-- 芝本さんは「日本の海岸環境を守る会」のどういう立場ですか?


会長です。
日本の海岸環境を守る会の組織には副会長、事務局長、制作局、広報、会計、顧問、監査などがあり、で主に動いているメンバーは20名程です。



-- なぜ「日本の海岸環境を守る会」を立ち上げようと思ったのですか?


 もともと「日本の海岸環境を守る会」を立ち上げようと思って始めた訳ではないんです。
  最初のきっかけは東浪見(千葉県 九十九里海岸)の砂浜がなくなったことでした。「砂浜が無くなって、どうしよう?」と思って、「何かできることはないか?」、何をどうすればいいのか考えていました。
そんなときに議員の方と話す機会があり、とりあえず海岸のことを議員に相談しました。その議員の方からいすみ市長に話が伝わり、さらに環境問題に取り組んでいる国会議員にも話が伝わり、いろんな方と話す機会が生まれました。
  いろんな方を話をする中で手伝ってくれる人が増えてきて、「日本の海岸環境を守る会」ができました。


-- 「日本の海岸環境を守る会」とはどういう活動をする団体なんですか?

 海に関わるいろんな人々が話し合える場を提供するために活動しています。

  現状、海に関わる地元の人、市、県、国などがバラバラに動いています。漁業関係者は漁業のことを中心に物事を考えるし、地元の人は地元のことを中心に物事を考えるし、サーファーはサーファーのことを中心に物事を考えます。
  もちろん当然のことです。しかしそれぞれの立場の人たちが自分たちのことだけを考えて、「海の環境をこうしたい!」と動いているとどこかで歪みが生まれ、ある人には利益になることでもある人には不利益になることが生まれると思います。

  そんなことが起きないように、いろんな立場の人を「海」というキーワードで1つにまとめたい。そしていろんな立場の人が話し合える場を作りたい。日本の海岸環境を守る会がいろんな立場の人たちの間に立ち、懸け橋となり、対話できる場を提供していきたいと考えています。

-- 2007年に当時の総理大臣、安部総理に面会していましたが、そのときどんな話をしたのですか?

 安部総理は「美しい国づくり」をしたいと公約に掲げていました。そこで私たちは、日本は島国で、全国に美しい海岸線がある、ということを伝え、環境を考えた護岸工事などを国からもサポートしてほしい、と訴えました。

  その結果、「海岸保全プロジェクト」というものを作ってくれました。国が護岸工事などを行う場合、そのプロジェクトに国からの情報が入ります。その情報を日本の海岸環境を守る会に提供してもらって、いろんな立場の人々といろいろ情報交換をしたい。そして海に対して国が何かを行うときに、それが海に関わるいろんな人にとって良いことをもたらすのか、悪いことをもたらすのか、などいろんな立場の人の視点で考えていきたいです。




-- ビーチステーションは何をするところなんですか?

 事務局&みんなが気軽に来れる場です。
いろんな人にビーチステーションに来てもらって、海岸に対する疑問などを話し合って解決していきたいです。

 海岸に関するいろんな資料を置いているので、環境に興味のある人が情報収集に来てもらっています。
  ビーチクリーンなどの情報があれば教えてもらえればビーチステーションでみんなに伝えていきます。

  ビーチステーションに来て頂いて、海岸環境に興味を持ってもらって、海に対して何ができるかなどを考えてほしい。




-- ビーチステーションには一般の人も行ってもいいのですか?

もちろんOKです。大歓迎です。
太東ビーチのすぐ目の前にあるのでサーフィンした帰りにフラっと寄り道してください。



-- 今後、「日本の海岸環境」をどうしていきたいですか?

 海岸環境はもちろん良い方向に向ってほしい。ただ「良い方向」といっても誰にとって良いのか、いろんな立場があるので何が良い方向なのかは現時点ではまだ見えていませんが...

 海岸環境の良い方向を模索するため、まずは自分たちの住む九十九里の海岸環境についてのシンポジウムを開く予定です。

  参加メンバーは、サーファー、県関係者、九十九里浜沿岸の市長、町長、商工会、観光協会、ホテル関係者、 サーフィン関係者、地元住民、漁業関係者などの「海」に関わるいろんな人々です。





-- 日本の海岸環境はどうなると思いますか?どうするのがいいと思いますか?

 護岸工事などの人工物の影響や、地球温暖化も影響して、海水温度の上昇や潮の流れの変化や砂浜がどんどんなくなっていくと思います...
  あまり自然に触れない方が良いと思いますが、なにかしなければいけないとしたら、各地域にあった自然を活かした海岸環境が作られていけば良いと思います。
  また、自然と共存していけばうまく付き合って生活していけると思います。




-- サーファー1人1人に求めることは?何かできることはありますか?

サーファーには海を見て何を感じるか聞きたいですね。
何で海が好きなのか?海についていろんなことを考えてほしい。当り前のことですがゴミを捨てないでほしい。海に行き続けてほしい。 そして海を見て何か感じたり、気づいたり、考えてほしい。



<プロフィール>

名前 芝本聖子 (シバモト キヨコ)
生年月日 1977年12月11日
在住 東京都出身、千葉県いすみ市在住
その他 芝本聖子さんのブログ
http://ameblo.jp/kps11/